itochan room
[ bar伊藤 ] - 熊本市上通町11-6 エイブル並木坂ビル3F  [ TEL.FAX ] 096-323-8688
[ 営業時間 ] - 19:00 ~ 翌2:00  [ 定休日 ] - 日曜日

2007/06/11

山で。海で。風が歌う。

Category: 50男のモンドリズム — itochan @ 17:02:47

■■A Day In The Life・・・
■■きょうの僕を幸せ気分にしてくれた1曲

[2007/06/11]
【ハドソン・ブリーズ】

プレジャー/向井滋春(紙ジャケット仕様)

written by 向井滋春
performed by 向井滋春
from the album[PLEASURE] (1980年)

昨日の店休日。何も予定は入っていなかったが、いつになく早く目覚めた。午前9時。いつもの休日なら、ここで二度寝するのだが。カーテン越しに射し込む陽の光があまりに強いので、起きてしまった。

呆れるくらい天気がいい。女友達の言葉ではないが「何かが起こりそうなくらいいい天気」だった。よし、ドライブしよう。でも、一人じゃなあ。僕は女友達に電話をした。しかし、日頃の付き合いが悪いせいか、あるいは急過ぎるせいか、片っ端から「ゴメンナサイ」だった。ふう。仕方ない。一人で出かけるか。

前々から行かなきゃと思っていたお店があった。梅雨に入る前に行こうと。南小国の眺めのいいレストランと、隣町の小国の旨い居酒屋さん。もう、一年近くうかがっていない。よし。行く先は決まった。午後1時。ちょうどいい具合だろう。

日曜日。しかも晴天。道は行楽の車で混んでいるかと思いきや、そうでもない。出発時刻をずらしたせいか。スムーズに進めた。窓は全開。吹く風には梅雨の湿り気はまったくなく、サラリとした感触が心地好かった。

さて。BGM。この時ばかりと選びに選んだ1枚。1970年代終盤から1980年代初頭にかけて日本中を席巻したクロスオーヴァー~フュージョン・ミュージック。それも日本人。

選んだのはトロンボーン奏者の向井滋春の6枚目のリーダー・アルバム『プレジャー』。1980年ニューヨーク録音。当時の向井はブラジル~ラテン系のリズムに凝っており、オリジナル曲はそういった傾向の曲が中心だった。

そこで、プロデューサーに日本のラテン・フュージョンの第一人者である松岡直也を依頼。アレンジも松岡直也がやっている。バックはスティーヴ・ガットをはじめとしたニューヨークを代表するミュージシャンたちが集合。

トロンボーン奏者のアルバムというと、想像がしにくいかも知れないが、あのソフトで伸びやかな音色が歌うと、実に気持ちのいいものだ。
 
 
 
R57を進み、大津からミルクロードへ。一気に阿蘇の外輪山の自然の中へ突入。緑の中を突っ走る。アルバム1曲目からグルーヴィなサウンドが車内に流れ出す。僕もゴキゲン。

ミルクロードから、やまなみハイウェイへ。遠く阿蘇五岳。眼下に阿蘇の町が・・・胸のすくような風光明媚なルート。ラテン・フレイバーの音楽に乗って、ハンドルを持つ手も軽やか。意外にも道は空いていて、僕は思い切りアクセルを踏み込む。全開の窓から風が吹き込んでくる。風はまるで歌うように僕の耳元で鳴る。

いつも友人だちと語り合うのだが、“阿蘇に似合う音楽って何だろう?”。今の僕は間違いなく、この1曲を選ぶ。

向井滋春のスケールの大きなトロンボーン・プレイは、まるで阿蘇の原野を吹く風。あるいは流れる雲のよう。まばゆい陽光が新緑輝く原野でキラキラと反射している。アルバム・タイトル『プレジャー』。喜び。歓喜。歓楽という意味。まさにそんな気分だった。
 
 
 
さて。今日の1曲。アルバムのラストを飾るT⑦『ハドソン・ブリーズ』。シンセサイザーの涼やかな音とメロウなメロディではじまる。この曲、途中でテンポが倍になる。さあ、ここからが聴きものだ。聞けば一発撮りセッションだったらしい。

エネルギッシュ&ダイナミックなスティーヴ・ガッドの本気の“煽りのドラミング”に一歩も引かず迫真のインタープレイを繰り広げる。このアルバムのハイライト! とにかく聴いている僕も興奮してくる。

1980年代初頭。本当にあの頃のクロスオーヴァー/フュージョン・ミュージック界は面白かった。ミュージシャンもクリエイティヴィティに満ち溢れていたし、元気だった。今聴いても、まったく遜色がない。それどころか、これだけのオリジナリティをもった音楽やミュージシャンたち。最近はとんと現れてこない。

ゴキゲンな音楽をリプレイしながら、やっと目的地に到着。午後3時過ぎ。な、なんと! お店は大賑わい。店内へ入るやマスターとママさんと、バイトさんがてんてこ舞い。スゴイ。「梅雨に入る前の、駆け込みじゃないかしら」とママさん。それにしても額に汗しながらのサービス。嬉しい悲鳴だ。

僕はゴキゲン・ドライブの締めにビールでも!と思ったが。思い直してノン・アルコール・ビールで我慢したのだった(涙)。無念。
 
 
 
そして今日である。昨日は山へドライブだったが、今日は不知火の海岸道路を買い付けドライブ。山でいいなら、もちろん海もだろうと。同じアルバムを流した。どんピシャだった。

ただ。同じ曲だと芸がない。アルバムの中でも一番エネルギッシュな、スピードあふれるナンバーを流してみた。これが見事に風景にマッチ。T③『ミラージュ』。リズム・アレンジに松岡直也のカラーがよく出ているナンバーだ。

午後の光が海面でキラキラと反射している。まさにミラージュ。そこへ向井滋春ののびやかなトロンボーン。もう、たまらない。やはりラテン・フュージョンはドライヴィン・ミュージックにいいなあ。

2007/06/06

雨の日に聴きたくなる歌

Category: こんなんもあります♪ — itochan @ 19:06:24

2007年・梅雨。
bar伊藤では「雨の日になると聴きたくなる歌」をお客様から募集いたしまた。
そして、たくさんの数の歌が寄せられました。
そこで、その歌が収められているアルバム写真とともにご紹介します。

 
 
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【青いエアメイル】松任谷由実
OLIVE
OLIVE/松任谷由実

  
【MIDNIGHT LOVE CALL】南 佳孝

MONTAGE/南佳孝

                (北九州市・DIVA625さん)

 
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【MEANING OF THE BLUES】キース・ジャレット・トリオ
スタンダーズ Vol.1
スタンダーズ Vol.1/キース・ジャレット・トリオ

雨の日になるとよくお店で流してます。これとパット・メセニーの『ミズーリの空高く』は梅雨の季節の定番です。

                (熊本市・カフェ・タイムレス マスターさん)
 
 
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【I’M SENSITIVE】JEWEL

Pieces of You/Jewel

何も言うことなし。とにかく聴いて欲しい。いいんだから。

                (熊本市・カフェ・タイムレス 松ちゃん)

 
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【はじまりはいつも雨】飛鳥 涼
ASKA the BEST
ASKA the BEST/ASKA

雨といえば・・・ASKAのこれでしょうか。

                 (熊本市・kaoriさん)

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【I WISH IT WOULD RAIN DOWN~雨にお願い】フィル・コリンズ

バット・シリアスリー/フィル・コリンズ

伊藤さん。
先日はホント久しぶりに美味しいお酒をいただきました。
また、そのうちふらっとおじゃまします。
「雨の日に聴きたいオススメの歌」ではありませんが、
雨に反応してしまいました。
今でも聴くと辛く苦い想い出がかぶってしまう曲・・・
クラプトンのギターが泣かせます。

                 (熊本市・masaさん)
 
 
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【Water Color】NIAGARA TRIANGLE

NIAGARA TRIANGLE Vol.2 /佐野元春・杉真理・大瀧詠一

珍しく、和ものです。

                 (熊本市・keiさん)

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【I’M STILL WAITING】コートニー・パイン

クローサー・トゥ・ホームREMIX+1

 
はじめてコメントさせていただきます。
いろいろな曲についてネットサーフィンをしていてたどり着きました!

雨の日に聴きたい曲。。い~っぱいあります。(笑)

中でも私的に、車の中で聴きたい雨の日におすすめの曲は
Courtney Pineの「I'm Still Waiting」です。

初コメントなのにずうずうしくてすみません。

                 (杏さん)

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【愛のプレリュード】ロジャー・ニコルス・アンド・ア・サークル・オブ・フレンズ
ビー・ジェントル・ウィズ・マイ・ハート
ビー・ジェントル・ウィズ・マイ・ハート

【雨に歩けば】ドナルド・フェイゲン

ナイトフライ/ドナルド・フェイゲン

今年の梅雨は、ことのほかこの歌がしみるのです。ポール・ウィリアムスのオリジナル・ヴァージョンやカーペンターズ・ヴァージョンもいいけれど。アルバム・タイトルではないが、ここには“優しさ”があふれていて。涙です。

もう1曲。スティーリー・ダンの片割れ、ドナルド・フェイゲンの名作ファースト・ソロ・アルバムから。アルバム最後を飾る軽快なポップ・ナンバー。雨だから憂鬱じゃなくて、「雨を愉しむ」そんなウキウキ気分になってきます。

                 (bar伊藤・店主)
 
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【雨の街を】荒井由実
ひこうき雲
ひこうき雲/荒井由実

視界5mも無いほどの深い霧に包まれた夜の草千里。
彼を困らせたくて、一人霧の中へ・・・

ミルク色の世界に、霧に映る車のヘッドライトと
私の名前を呼ぶ彼の声。

♪夜明けの雨はミルク色~と、歌詞を聴くと切なく思い出します。

                (熊本市・Y◎RIK◎さん)

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【フランク・ロイド・ライトに捧げる歌】サイモン&ガーファンクル

明日に架ける橋/サイモン&ガーファンクル

 
【あじさい】山崎まさよし

STEREO2/山崎まさよし

 
【ハロー・ハロー】SUPERFLY

ハロー・ハロー/SUPERFLY

そうですね~、静かな雨の日に口ずさみたいのは、何故かわからないけどサイモン&ガーファンクルの「フランク・ロイド・ライトに捧げる歌」、山崎まさよしの「あじさい」、それと、湿気と欝陶しさを吹き飛ばしてしまいたいときは、今のお気に入りはSUPERFLYの「ハロー・ハロー」かな。

                (soraさん)
 
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【雨上がりのBLUE】ガーネットクロウ
I’m Waiting 4 You
I’m Waiting 4 You/GARNET CROW

【風になれ~緑のために~】谷山浩子
 
谷山浩子ベスト 白と黒

【帰り道】榊原 大
転/移
転/移/榊原 大

ガーネットクロウの「雨上がりのBlue」とか、谷山浩子の…タイトルが出てこない…サクロンのCMに使われた事のあるえーっと、「風になれ・・・」だっけ…?。そして榊原大の「帰り道」。

                (熊本市・uraさん)
 
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【奇跡のカンパネラ】フジ子・ヘミング

雨の日は、フジコ・ヘミングのファーストアルバム『奇跡のカンパネラ』ですね。雨音との相性もいいし、うっとりしますよ。

他のアルバムも似合うけど、ピアノ音のみって条件が付きますね。

                (熊本市・そうちゃんさん)
 
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【RAIN DANCE】大貫妙子

想定外かと思いますが、大貫妙子さんの「Rain Dance」です。収録されてる「プリッシマ」は今聞いてもいいですね。

若い頃、たぶんずたぼろな恋愛をしてた頃に聞いていました。そういう時に聞く曲って「悲しい不幸な自分とどうリンクさせるか」って悲劇的なところを求めていたのですが、ある程度年をとってそういうことに繊細さがなくなり図太くなっていく中、改めて聞き返すと言葉の深さを痛感します。

大貫さんの澄んだ声と浄化された言葉はあの頃と変わらず「何か」を伝えてくれるような気がします。

明るい感じの曲ではありませんがしとしと降る雨を眺めながら「しっぽり」聞く感じもよいのでは。

                (熊本市・し~たろさん)
 
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【SINGING IN THE RAIN】JAMIE CULLUM

Twentysomething/Jamie Cullum

【COME RAIN OR COME SHINE】B.B.KING & ERIC CLAPTON

Riding with the King/B.B.King & Eric Clapton

【LAST REQUEST】PAOLO NUTINI

ジーズ・ストリーツ/パオロ・ヌティーニ

雨の日に聴きたい曲ですが、最初に思い浮かんだのは、JAMIE CULLUMの『SINGING IN THE RAIN』で、次に浮かんだ曲は、B.B.KING & ERIC CLAPTONの『COME RAIN OR COME SHINE』です。
あと、雨に関係のある曲ではないのですが、最近買ったCDでPAOLO NUTINIの「THESE STREETS」というアルバムの2曲目の『LAST REQUEST』という曲が雨の日に聴いていると、なんともせつなくていい感じです。

                (熊本市・utoさん)

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【雨を見たかい】クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル

ペンデュラム/クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル

 
【雨の御堂筋】欧陽菲菲

 
【レイニーブルー】徳永英明

BEAUTIFUL BALLADE~20th Anniversary Super Ballad Single Best~/徳永英明

 
【冷たい雨】松任谷由実
OLIVE
OLIVE/松任谷由実

【タイム・アフター・タイム】シンディ・ローパー

She's So Unusual/Cyndi Lauper

                (熊本市・こいちゃんさん)

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【ワン・ノート・サンバ】アントニオ・カルロス・ジョビン
Terra Brasilis
Terra Brasilis/ANTONIO CARLOS JOBIM

【希望の轍】サザンオールスターズ
稲村ジェーン
稲村ジェーン/サザンオールスターズ

雨の日に聞きたい曲、さすがに最近雨だらけですからね…。

今、帰って来て晩御飯食べながら思いつくのは…
ボッサの「ワンノートサンバ」とか。
あと曲名ではないけど、小野リサさんの歌声は軽やかなので、雨の日には特に心地良くて好きです(^◇^)

雨が続いて気分が重くなったら、サザンの「希望の轍」で自分にハッパかけるとか…(^◇^)

                (熊本市・yukiさん)

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【雨の日と月曜日は】ザ・カーペンターズ
カーペンターズ
カーペンターズ/ザ・カーペンターズ

やっぱカレンが歌う『Rainy Days And Mondays~雨の日と月曜日は』ですかね。ありきたりですが・・・。

                (モトカズさん)

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2007/04/26

空を突き抜けるブラス

Category: 50男のモンドリズム — itochan @ 17:20:07

■■A Day In The Life・・・
■■きょうの僕を幸せ気分にしてくれた1曲

[2007/04/26]
【イン・ザ・スペース~IN THE SPACE】

スペクトラム伝説/スペクトラム

words by 宮下康仁/music & arranged by スペクトラム
performed by スペクトラム
from the album[スペクトラム伝説~THE LEGEND OF SPECTRUM](1985年)

今日も不知火町へと酒肴買い付けに。天気がいいと最高に気持ちいいドライブになる。今日も快晴。思い切りぶっ飛ばして行った。

まるで初夏みたいに今日は暑い。やっぱ、元気よく! そんなワケでBGMもギンギンのブラス・ロックで決めてみた。

車の窓は全開。風が飛び込んで来て気持ちいい。木々の新芽の若々しい緑の匂いもする。春なんだなあと実感。ひとりで走るのもいいけれど、たまには誰かと二人で・・・な~んてボヤきながらCDを流す。お相撲さんが目くらましを食らうみたくバチッと、妄想も吹き飛んだ。

スペクトラム。思えている人も少なくないだろう。日本では稀有なブラス・ロック・バンドとして金字塔を打ち立てた伝説のバンドである。ともかくそのいでたちに開いた口が塞がらなかった。まるでバイキングのようなド派手なコスチュームを着込んで管楽器を自在に操って歌って踊るのだから。

スペクトラムとしてのデビューは1979年。元々は、あいざき進也のバックバンド「ロックンロール・サーカス」から、キャンディーズのバックバンド「MMP(ミュージック・メイツ・プレイヤーズ)」、「ホーン・スペクトラム」などを経て、1979年に結成。同年8月25日にデビュー、同時に14時間テレビに出演、視聴者に強烈な印象を残した。しかし、1981年9月22日の武道館ライブを最後に解散。活動期間はわずか2年ほどだが、その後の音楽業界、特にホーンセクションの編曲に大きな影響を与えたといわれた。

トランペット奏者の新田一郎が中心になって結成されたバンドで、全編にブラスの音が鳴り響く力強いサウンドや、新田のファルセットボーカル(アルバム『SPECTRUM FINAL』には「アグネス・チャンみたいな声」と書かれている)、西慎嗣のロック系ボーカル、渡辺直樹のAOR系ボーカルの3人のリードボーカルが大きな特徴となっていた。


 
派手なコスチュームや演奏しながら踊るパフォーマンスはインパクトが強く、それに惑わされて音楽性を正しく評価されなかった面もある。よく“EW&Fもどき”などという批判が起きたが、実際はシカゴやブレッカー・ブラザーズの影響の方が大きいように思う。

とにかく、若かった(大学生の頃)僕は初めて耳にした時、その演奏の凄さにぶっ飛んだ。そして大笑いした。やはり、あのコスチュームはいただけなかった。後年聞いたのだが、音楽の師匠である東京のN氏はそんな彼らを当時から正当に評価していたそうだ。サスガである。

余談だが。東京のN氏は腕のいいプロ・カメラマン。こともあろうにバンドのリーダーだった新田一郎氏の写真を撮るという仕事が舞い込んできたのだ。その頃新田氏は代官山プロダクションの社長だったらしい。そこでだ! なんとN氏は「新田さん、またスペクトラムをやってくださいよ。ファンなんです」と言ったらしい。戯け!というか、恐いもの知らずというべきか。新田氏は恐縮しながら「もう、昔の話はよしてください」なんて答えたそうだ。

さて。そんな思い切りアゲアゲなスペクトラムから1曲。やはり『イン・ザ・スペース』だろう。スペクトラムで最も有名な曲である。こうして海沿いの空いた道路をかっ飛ばしている僕をアゲアゲしてくれる曲といったら、これっきゃないぜ! 

ブラスのアレンジの複雑さ、華麗さと言ったらない。パーカッションのコンガも効果的。(ちなみにパーカッション担当は“スペクター8号”今野拓郎。あのKUWATA BANDのリーダーであり、「いかすバンド天国」のプロデューサー・審査員としても知られる現・今野多久郎であった)。聴きようでは気持ち悪いとも言われる新田一郎のファルセットも全開の名曲中の名曲。

いつものことだが、やはり僕はアクセルをベタ踏みしてしまいそうだった(笑)

さっ、“本日の裏もう1曲”である。あえてエネルギッシュな曲は避けた。メロウな、これまた名曲である『パッシング・ドリーム』。メイン・ヴォーカルは新田一郎ではないが、実のところスペクトラムの中で一番好きだ。失恋を歌った悲しい歌だが、アレンジが最高で何回聴いても涙。

はじまりのコーラス・ワークがなんともいい。それにブラスといい、新田氏のファルセットといい名曲。メイン・ヴォーカルは新田氏ではない。バッキングのブラスもカッコいい。最後部で倍テンポになって終わるところでとどめをさされる。ナビ・シートに誰もいないほうが似合うな。

春だというのに、ひとり遊びにふけっている。まあ、仕方ない。今は心の休息中だもんね(笑)
 
 
■動画のオマケ
スペクトラムの衝撃的?な映像を発見。古いので多少見づらさ聴きづらさはありますが、ド派手なコスチュームと抜群の演奏、そして勘違いなパフォーマスをじっくりとご覧あれ。
http://www.youtube.com/watch?v=LaSomj050go

2007/04/19

気付いたら涙がこぼれていた

Category: 50男のモンドリズム — itochan @ 00:00:00

■■A Day In The Life・・・
■■きょうの僕を泣かせてくれた1曲

[2007/04/19]
【SUPERNOVA】
supernova / カルマ
written by 藤原基央
performed by BUMP OF CHIKEN
from the single[SUPERNOVA / カルマ](2005年)

FMラジオから流れて来た歌だった。アコースティック・ギターをかき鳴らす音ではじまり、そこへ何ともか弱そうなヴォーカルが入ってきた。相変わらずのJ-POP、昔でいうならフォーク・ソングじゃないか・・・そんな軽い気持ちで、聴くでもなく流していた。だが、その歌詞に耳を奪われた。

『SUPERNOVA』。時に優しく、時に激しく、淡々と切々と歌われる藤原基央の歌声が染みわたる。その美しくポップなメロディ、サウンドアレンジ、そして藤原基央が紡ぐ世界観に、僕は嫉妬を覚えた。

「最近の若い者は・・・」なんて口にするほど老いぼれてはいないつもりだが、どこかで彼らJ-POP系ミュージシャンの知的センスには疑問を持っていたことは確かである。ただ、中にはドキッとさせられるような言葉(歌詞)を持った若者がいることも知っている。ミスチルの桜井やハナレグミなどはそのいい例だし、ちょっと年齢は上だが、スガシカオや山崎まさよしなどは素晴らしいとさえ思っているし、好きだ。

とにかく、その言葉に胸をつかまれた。とはいえ斬新な言葉が使われるわけではない。ありふれた言葉だ。なのに、この感動はなんだ。きっと、ヴォーカルの藤原基央の声質とメロディ・センス、そして等身大の歌詞・・・それらが相まって、こんな名曲が生まれたのだと。

誰もが思うことを、難しく表現するのでなく、当たり前の普段言葉でシンプルにストレートに聴き手に伝えていく。「●●●すると、○○○に気付くんだ」という繰り返しはよくある技法だが、言葉にしたくてもうまく表現出来ないことを、藤原は等身大の言葉で新鮮に描いてみせる。

「本当のありがとうは ありがとうじゃ足りないんだ」

「本当に欲しいのは 思い出じゃない今なんだ」

特に「誰の存在だって 世界では取るに足らないけど 誰かの世界は それがあって 造られる」

こんな瑞々しい感受性を前にして。僕は正直、嫉妬した。今の自分にこれだけの感受性は残っているのだろうかと。

小説の世界でいうなら、同時代作家を読め!と教えられたことがあった。それと同様に、同時代の歌にもしっかりと耳を向けなければと。古い歌ばかり聴いている僕としては、それこそ耳の痛い話である。

ひさしぶりに、いい歌に出合えて嬉しかった。そして、ハンドルを持っていた僕は(確かに最近そんな経験があったせいもあって)気が付くと涙を流さんばかりにうるうるしていた。
 
 
 
『SUPERNOVA』
        (作詞・作曲:藤原基央/歌:BUMP OF CHICKEN)
 
 
熱が出たりすると 気付くんだ 僕は体があるって事
鼻が詰まったりすると 解るんだ 今まで呼吸をしていた事

君の存在だって 何度も確かめはするけど
本当の大事さは 居なくなってから知るんだ
 
延べられた手を拒んだ その時に 大きな地震が起こるかもしれない
延べられた手を守った その時に 守りたかったのは 自分かもしれない

君の存在だって もうずっと抱きしめてきたけど
本当に恐いから 離れられないだけなんだ
ラララ

人と話したりすると 気付くんだ 伝えたい言葉が無いって事
適当に合わせたりすると解るんだ 伝えたい気持ちだらけって事

君の存在だって こうして伝え続けるけど
本当のありがとうは ありがとうじゃ足りないんだ
ラララ

僕らの時計の中 ひとつだけでもいいから
本当を掴みたくて 本当を届けたくて

歳を数えてみると 気付くんだ 些細でも 歴史を持っていた事
それとほぼ同時に 解るんだ それにも 終わりが来るって事

君の存在だって いつでも思い出せるけど
本当に欲しいのは 思い出じゃない今なんだ

君を忘れた後で 思い出すんだ 君との歴史を持っていた事
君を失くした後で 見つけ出すんだ 君との出会いがあった事
 
誰の存在だって 世界では取るに足らないけど
誰かの世界は それがあって 造られる

君の存在だって 何度も確かめはするけど
本当の存在は 居なくなっても ここに居る

僕らの時計は 止まらないで 動くんだ

ラララ

2007/01/29

君がまだ生まれてない時代の歌

Category: 50男のモンドリズム — itochan @ 20:12:43

■■A Day In The Life・・・
■■きょうの僕を 幸せ気分に 考えさせてくれた1曲

[2007/01/29]
【悩み多き者よ】
君は英雄なんかじゃない
written by 斉藤哲夫
performed by 斉藤哲夫
from the album[君は英雄なんかじゃない](1972年)
 
 

『6/8 無題(素晴らしい人生)』
              (作詞・作曲:斉藤哲夫)
 
素晴らしい人生よ 素晴らしい明日よ
未来は夢多き子供等を
未来は全ての若者達を
大きく羽ばたかせるだろう
果てしない広がりに向けて

素晴らしい人生よ 素晴らしい明日よ
いつの日か旧きものは年老いて
この世を去る時が来るであろう
数々の歴史の中での足跡は
次なる時代へと
深く刻まれていく

昭和二十五年四月四日
男子一児誕生す
苦しみはいつの社会にもあり
悲しみはどんな時にも
押しよせてくるだろう
尽きることない
この広大な世界に
新たなる未来を 築かなくては

素晴らしい人生よ 素晴らしい明日よ
世はまさに今 変わりつつある
世はまさに今 変わりつつある
素晴らしい人生よ 素晴らしい明日よ

 
 
■■■ ■■■ ■■■ ■■■ ■■■ ■■■

 
  
『悩み多き者よ』
              (作詞・作曲:斉藤哲夫)
 
悩み多き者よ
時代は変わっている
全てのことが
あらゆるものが
悲しみの朝に
苦しみの夜に
絶えず時はめぐり
繰り返されている

あゝ人生は一片の木の葉のように
あゝ風が吹けば何もかもが終わりなのさ
流れゆく時に
遅れてはいけない
移りゆく社会に
遅れてはいけない

悩み多き者よ
時代は変わっている
全てのことが
あらゆるものが
すさんだ日々に
ゆがんだ日々に
休みなく時は
通り過ぎてゆく

あゝ人生は吹きすさぶ荒野のように
あゝ生きる道を誰でもが忘れているのさ
暗い歴史のかげに
埋もれてはいけない
飾り気の世の中に
埋もれてはいけない

 
 
 
君はこの歌詞を読んで何を感じるのだろう。録音されたのは1969年12月と70年1月。リリースは1972年。時代をシニカルに見つめ、社会になじめない自己を深く探索する思索的なプロテストソングである。これを時代がかっていると一蹴するのは簡単だ。だが、ここに刻まれた言葉は、21世紀となった今でも少しも古臭さを感じさせないのはいったい何だろうか。

君がまだ生まれていなかった時代に、それこそひっそりと一部の人間たちの間だけで聴かれた歌たち。これだけではない。もっとたくさんある。あの時代--敗戦の中から立ち上がり急速な高度成長を続け、世界に類をみない先進国に発展した日本。その過程で、1960年代後半に起こったフォークソング・ムーブメントと相まって 当時の若者たちを慰め、励ました歌たちだ。斉藤哲夫は当時、まだ明治学院大学の学生だった。

今、ここに紹介したことに大した意味はない。ただ、君がこうした時代を歌を聴いてどう感じるのだろうかと。流行の歌にばかり気をとられ、前へ進むことばかりが新しいとか正当化される現代。本当にそうなのか。見失っているものはないだろうか。余計なお世話、ノスタルジアと蹴散らされてもかまわない。ただ、人生の先輩として、君たちに伝えたかっただけだ。

最後にアルバム・タイトルとなっている歌の歌詞を揚げておきたい。
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
  
  
『君は英雄なんかじゃない』
              (作詞・作曲:斉藤哲夫)
 
次から次へ 襲ってくる
大きな波を 君はどの様にして
受けとめようというのか
いたずらに吹きまくる
この世の風におどらされて
君はどの様にして
生き続けるというのか
まだまだ若いなんて 思っている君は
このあたりで 折れるのがよし
つまらない言いがかりはよして
さあ 流れに乗り遅れたらおしまいだ
しっかりしてよ
よそ見なんかするんじゃない

言葉というものに
どれ程の真実があると思う
“君を愛している!”なんて
遊び言葉に ついついだまされて
君は 笑ったり泣いたりしているけれども
でもまだあきずに信じるつもりでいるんだろう
上に下に まわりは全て変わる
どうしようもないほど 早くね
なのに君は なんて古臭くて
時代遅れなのか
さあ 流れに乗り遅れたらおしまいだ
しっかりしてよ
よそ見なんかするんじゃない

やあ 君はけっしてこの世の英雄なんかじゃない
ともすれば ひざを折りそうな
弱い弱い 生きものさ だから
口をつぐんで心の窓を閉めて
誰かが近づいてきたら
何もかもわかったような面をして
歩き続ければいい
どうにでもなるんだ
これからは悩む必要もないだろう
それ程価値のあるものじゃないと思うけれど
さあ 流れに乗り遅れたらおしまいだ
しっかりしてよ
よそ見なんかするんじゃない

そうさ 君のうしろで笑っている
多くの亡者共を知っているかい
君もいつか 亡者となる日が
次第次第に近づいている
愛だとか平和だとか
毎日口ぐせのように言い合っている君は
うしろから ふいに足をさらわれて
頭は空回り これから先はまだまだ遠い
倒れたり 転んだり つまずいたりすること
それは全て 君の考え一つだけれども
さあ 流れに乗り遅れたらおしまいだ
しっかりしてよ
よそ見なんかするんじゃない

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