Garfunkel: Best Of
Art Garfunkel

アート・ガーファンクルの声質もあるが、よく耳を澄ますとそのヴォーカルがいっそう優しく染みわたるように上品なエコーがかかっている。それが、とにかく僕にはクールに感じてしまう。このブログのタイトルではないが、まさに体感温度をグッと下げてくれる。とはいえ、決して冷たい響きではない。むしろ柔らかく包み込んでくれる。
また選曲もいい。彼自身はソングライターではないから、その分自分の声質をより生かしてくれる佳曲を選んでいる。彼の作品はどれもオススメだが、個人的には『ウォーターマーク』というアルバムが好きだ。しかし、ここではあえてベスト盤をご紹介。聴く者を幸せにするアートの“天使の歌声”が堪能出来る。
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あなたを思うと
大貫妙子&山弦


JOY RIDE
山弦

大貫妙子の透明感に満ちた歌声は、夏の暑さを忘れさせてくれる。そんな声で「あなたを思うと/いつも嬉しい心が見える/運命に感謝しよう/出会ったことに 今・・・」なんて歌われてしまったら。もう、降参です。
このマキシ・シングルは大貫妙子と、スーパー・ギター・デュオ山弦とのコラボレーションで生まれた素敵な一枚。『あたたを思うと』は、その山弦による名曲『祇園の恋』に彼女が歌詞をつけたもの。どこか日本情緒的なメロディに、彼女の思いが言葉となって重なると、こんなにまでも美しい歌になってしまう。しかも、しっかりと“大貫妙子のもの”にしてしまっている。
この盤は、すでに製造中止になってしまったようだが、もしかしたらamazonにはデッド・ストックがまだあるかも?
最後に、胸キュンの歌詞を---
あなたに触れると
暑い夏の匂いがした
風が吹く丘の上で
夢を語った日を
なくした時に もう 帰れない
たくさんの 大切な思い出があっても・・・
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2000年、夏。僕はあの夏の匂いを忘れない。
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死刑台のエレベーター[完全版]
マイルス・デイヴィス

兎にも角にも、このクールさ。たまらない。映画のサントラという範疇には収めたくないほどの出来映え。映像を見ながら一発で録音をしたという逸話さえ、この音を聴けば納得したくもなる。また、映画もいい。ぜひ、また観たい。
僕はマイルスを聴くとどうしても新宿のジャズ喫茶(もしかしたらバーかも知れない)を思い出す。今日みたいにむし暑い日だった。どこかで涼もうと飛び込んだその店は薄暗く、エアコンがギンギンに効いていて汗でびっしょりだったシャツも下着も数分で乾いてしまった。おかげで逆に夏風邪ひきそうなほどだった。その時に流れていたのがマイルスの『BLUE MOODS』というアルバムだった。
初めて聴いたアルバムだった。店内の薄暗さと相まってそのマイルスのトランペットの音がなんとも暗かった。ともかく陰鬱な音色にしか聴こえなかった。それは都会の夏の照り返しのせいかも知れない。否、今聴けばクールと感じるかも知れない。
そう。あの日僕は、陽も沈み、街に夜の帳が降りるまでその店に居た。そして、帰り道。レコードショップに立ち寄った僕は、わき目もふらずそのアルバムを買って帰った。今も、夏になると無性に聴きたくなる一枚だ。
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DUO
GONTITI

たしか地球快適音楽”とかいうのがゴンチチのキャッチフレーズだったと思う。このアルバムを買った当時(1997年頃)僕は来る日も来る日も飽きることなく聴いていた。無駄な言葉(歌詞)もないアコースティック・ギター2本によるインスト・アルバム。
ある詩人の作品集のタイトルではないが、“時に言葉は不自由だ”である。
彼らほど日本情緒を音にできるミュージシャンもいない。僕は、そこにロマンチシズムと同時に、ほろ苦く、甘くせつない昔日の情景を想像してしまう。大好きな二人組。電気楽器を使った曲も多くあるが、やはり彼らの真骨頂はアコースティックな音にあると思う。
時に忘れかけた木々の緑を、時に還り来ぬセピア色の日々を・・・夏は思い出の季節。
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Drag
k.d. lang

彼女の低めのアルト・ヴォイスにはひんやりとした感触がある。このアルバムのタイトル『ドラッグ』とはタバコのこと。アルバム全体をタバコにまつわるスタンダード・ナンバーを中心に取り上げて歌っている。ジャケットはダサいが、中身は極上。
山下達郎も、歌のウマさからファンだと言っていた。中年男にしかわからない、お色気とは別の官能に満ちている。
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SUMMER SIDE OF
ショーロ・クラブ


ショーロとはブラジルの音楽のひとつ。哀愁とか郷愁と訳されている“サウダージ”感に満ちた音楽。このアルバムはタイトル通り、夏をテーマに選んだスタンダード・ナンバーのカバー集である。
彼らは日本人である。しかし、その解釈は、海を越え、遠く地球の裏側のブラジル人の感性と日本人の持つ感性の共通点をうまく融合させていて、“初めて聴くのに、どこか懐かしい”と感じさせる響きがある。
木陰のカフェテラスあたりで、涼やかにアイスコーヒーでも飲みながら聴きたいものだ。
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THE FOREST
林知行&フォレストⅢ


たぶん、ほとんどの方が林知行という人物を知らないだろう。かつて喜多郎のサウンド・プロデューサーも務めたことのある影の実力者である。随分昔、このアルバムを制作したディレクターと一緒に仕事をしたことがあり、林氏とお会いした。その時にいただいた一枚だ。
当時風に言うなら“NEW AGE MUSIC”とでも表現できようか・・・とにかく気持ちの良いアルバムである。歌もなく、楽器の響きを大切にしながら美しく印象的なメロディを奏でている。それはまるで夏の昼下がりの一瞬の涼風のよう。
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Watercolors
Pat Metheny

タイトルは『水彩画』とでも訳するのだろうか。最近のパットはあまりにも大きくなりすぎてしまって・・・このあたりの等身大的なパットが好きだ。ひんやりとしたギターの音色、まるで心象風景のような楽曲が並ぶ。
心地好いと言うよりも、非常に研ぎ澄まされた世界とでも言える、ある種の緊張感。誰もいない場所で一人で聴きたい一枚。
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おもいでの夏
アート・ファーマー

リリカルなフリューゲル・ホーンで人気のあるアート・ファーマー。あの有名な「おもいでの夏」では一度聴いたら忘れられない、詩情にあふれたプレイが聴ける。
彼の他作品も日本人にはウケがいい。ジャズの王道を行く作品しかり、フュージョン・タッチもしかり。このアルバムでは、腕利きのジャズ・ミュージシャンを起用し、リラックスした中で「黒いオルフェ」や「アルフィー」といったスタンダード・ナンバーを快演している。