■■A Day In The Life・・・
■■きょうの僕を幸せ気分にしてくれた1曲
[2010/08/17]
【WATERCOLORS】

ウォーターカラーズ
written by PAT METHENY
performed by PAT METHENY
from the album[WATERCOLORS] (1977年録音)
猛暑が連日日本各地を襲っている。暑い所では38度を超えたらしい。まさに残酷暑だ。
先週末のこと。後輩の経営するシーサイドうどん屋・浜っ子へ行って来た。取り立てて「旨い!」というわけではないのだが、厳しいながらも夫婦2人で一生懸命に頑張っているのを応援したいということもあって、ちょくちょく通っている。
今まで気づかなかったのだが、夏限定メニューというものがあった。【サラダうどん】という名前。いったいどういうものかと奥さんのヒロミちゃんに尋ねると「ぶっかけうどんみたいなんだけど、キュウリとトマト、キンシタマゴ、キャベツ、レタス、モヤシ、それに・・・簡単に言うと、ぶっかけうどんの浜っ子風ね」と。わかるようでわからない説明だった。
「まあ、いいや。それちょうだい!」
「店長、伊藤さん、サラダうどんねえ!」
「あいよ」とトシヒコ君。
待つこと数分。「お待たせしました。サラダうどんです」と僕の前にデンと置かれた。

ほお~、色合いもトマトとカイワレがアクセントになって、淡く涼しそうだなあ。冷たいツユをかけて頂くのか。味はカラシでアクセントか。
まっ、いわゆる冷やし中華風のうどん。でも味わい
行儀悪いかも知れないが、僕は最初に全部の具材を混ぜ合わせる。確かに見た目はゴチャゴチャとなって決して食指をそそるような外見ではなくなるが、僕は味を均一化してから食べるのが習慣なのである。
ひと箸、口に運んだ。ひんやりとした食感が口の中を通りだんだんと胃袋へ。茹だるような中を歩いて焼けたカラダをゆっくりと沈めてくれる。
一見、冷やし中華風だが、味は和風。イケる。
涼味の麺が実に心地好い。ついつい箸が進んでしまい、あっという間に完食してしまった。
ひと心地ついた僕は、夕暮れの海が見たくてお店の裏へと向かった。日没にはもう少しだとトシヒコ君が言ってくれたが、対岸の雲仙・普賢岳に雲がかかり、太陽がそこへもぐり込み始めていた。
なんだかいいなあ。陽光が雲間から後光のように天上へ向かっていた。僕は慌てて写メに納めた。

浜っ子に来るのは休日の定番となって久しい。「そんなにしょっちゅう行って何があるの?」と聞かれるが、別に僕は無類のうどん好きでも何でもない。週に1回食べるくらいで十分。ただ、このキレイな夕景が見たくて来ているのだ。海と言っても季節でその雰囲気(風景)がガラリと違う。それがまたいいのだ。
さて。食で涼を求めたのだから、次は腹ごなしに音楽でも。それも、満腹感を味わうような音楽ではちと重い。クールな質感のものが聴きたくなった。
で。選んだアルバムはジャズ・ギタリスト、パット・メセニーのECM時代のリーダー第2作【WATERCOLORS】。
パット・メセニーとライル・メイズ(p)が初競演した作品であり、まだパット・メセニー・グループを名乗っていないが、ベースにエバーハルト・ウエーバー、ドラムにダン・ゴットリーブが起用されている。
80年代以降から現在にかけてのパット・メセニーはあまりにも大きくなり過ぎてしまって・・・このあたりの等身大的なパットが、個人的には好きだ。
ひんやりとしたギターの音色、透明感に満ちた音世界。まるで心象風景のような楽曲が並ぶ。心地好いと言うよりも、非常に研ぎ澄まされた世界とでも言える、ある種の緊張感。誰もいない場所で一人で聴きたいと思ったりする。
さて、選んだ1曲はアルバム・タイトル・ナンバーT①。『水彩画』とでも訳するのだろうか。その淡い色調にも似て、透明感のあるサウンド・カラーが美しい。
パット・メセニーは6弦ギターでしなやかなフィンガリングを展開する。ライル・メイズの格調高いピアノ・ソロも光っている。ヴィヴィッドなリズムを送り出すベースとドラムスも実に印象的だ。
さて。こうも猛暑が続くと、夏バテするよりも熱中症が怖い。暑い時は辛いものも欲しくなると言うが、暑さとお酒で弱った僕の胃には、涼味あふれる食事と音楽の方がうれしい。