itochan room
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2007/06/14

この想い、届かなくても。

Category: 50男のモンドリズム — itochan @ 17:03:00

■■A Day In The Life・・・
■■きょうの僕を幸せ気分にしてくれた1曲

[2007/06/14]
【SARA SMILE】
ライヴ
written by HALL & OATS
performed by JU FUKAMACHI & THE NEW YORK ALL STARS
from the album[JUN FUKAMACHI & THE NEW YORK ALL STARS LIVE] (1978年録音)

1970年代終盤から80年代初頭にかけて。日本のジャズ界は熱気に満ちていた。クロスオーヴァー~フュージョン・ミュージックと呼ばれる新しい潮流が現出しし、閉塞感で窒息状態にあったジャズ界に新しい息吹きを投入した。

ちょうどその頃だった。僕がこれらの音楽と出合ったのも。その頃交際していた女性から教えてもらった。彼女はレコード店に勤めていたこともあって、一般人よりも情報が早く入手でき、すばやく僕に教えてくれていた。

たまに引っ張り出しては聴く。ある意味、僕のあくなき音楽遍歴の旅はその頃にはじまったと言えるだろう。今でも彼女には感謝している。彼女と出会っていなければ、きっとこんなに音楽バカにはなっていなかっただろう。まあ、おかげで音盤につぎ込んだお金を貯金していれば・・・外車の一台くらいは・・・イヤイヤ。音楽と出合えたことで僕はどれだけ救われたことか。幸せを教えてもらったことか。

昨今のジャズ/フュージョン・ミュージックを聴いても、あの頃のような熱気を感じないのは音楽自体の行き詰まりからだろうか。それとも単に僕が年を重ね、新しいものに対して柔軟に受け入れることが出来なくなったせいか。

いずれにせよ。あの頃の“音”を聴くと、その熱さに身も心もヤケドしてしまいそうだ。とにかくクリエイティヴでエネルギッシュで。未来は安泰だとさえ感じさせてくれる。

目の前に立ちはだかっていた厚く大きな壁。その前でミュージシャンたちは立ち往生していた。「ジャズに未来はあるのか?!」そんな言葉さえ飛び交っていた。そんな閉塞感に満ちた状況に、風穴を開けたのがクロスオーヴァー/フュージョン・ミュージックだったのだ。

だが、現実は違った。そんなフュージョン・ミュージックも10年と持たずに終息していった。どれもこれもが同じようなものになっていった。あげくには耳当たりのいいスムース・ジャズなんてものに姿を変えて行った。

昔、こんな言葉を聞いたことがあった。「JAZZとは“革新”という意味だ」と。ジャズは、クロスオーヴァー~フュージョン・ミュージック以後、果たして“革新”を起こしたのだろうか? あれから20年以上経つというのに。

技術革新による打ち込みサウンド。さらにはヒップホップからの影響によるサンプリングなどの技法がジャズ界に流れ込んで来た。しかし。僕はジャズは人間の音楽だと考える。すべてを機械が演奏してしまうような音楽を(ここではジャズにしぼる)僕はジャズと呼びたくないし。感動はしない。
 
 
さて。講釈が長くなってしまった。今日選んだ1曲だ。そんなジャズが熱く燃えていた時代の空気を閉じ込めた1枚のアルバムから選んだ。

ヴィブラフォン奏者であり、素晴らしいプロデューサーでもあったマイク・マイニエリのリーダー・アルバム『LOVE PLAY』の中で取り上げた名曲『SARA SMILE』。それをライヴで再演したヴァージョンを今日は取り上げた。

この曲は、ポップス・ファンならご存知だろう。あのホール&オーツのヒット曲である。当然、ヴォーカルものなのだが、これをマイク・マイニエリのヴィブラフォンと、デヴィッド・サンボーンの“泣き”のアルト・サックスをフィーチャーして演奏している。

美しいバラード・ナンバーである。マイクのリリカルなソロをはさんで、サンボーンのソウルフルなソロが全編に聴かれる。美しくもあり、スリリングでもあり、興奮とド迫力の演奏。見事としか言いようのないアレンジと白熱の演奏である。12分を超える大作だが、それを微塵とも感じさせない。それどころかサンボーンの泣きのソロに、こちらも感動してしまう。

そして終盤。一度終わりそうになるが、そこで天才ドラマー、スティーヴ・ガッドが煽り立て、再び盛り上がっていく・・・感動を超えて、涙すら溢れてくる。

「世界の中心で愛を叫ぶ」というのがあったが、まさにそんなラヴ・バラードである。ささやく愛も大人びていいが。時に、声が枯れるほどに愛する人の名前を叫ぶこと。恥も外聞もかなぐり捨てて。それは本当に失いたくない相手への最高の愛情表現。それは男にしか出来ないこと。そう。今日僕は並木坂で君の名前を大声で叫びたい。そんな気分だ。

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