想いそれぞれ・・・
『10月はたそがれの国』という本がある。叙情詩人ブラッド・ベリの名声を確立した処女短編集だ。もうずいぶんと昔に読んだような記憶ある。だからという言い訳ではないが、内容はすっかり忘れてしまっている。我が家の本棚にその本(文庫本)があったさえ覚えていない。
このタイトルが好きだ。タイトルだけを見て、さまざまなことが頭の中に浮かんでくる。たとえばフォト&エッセイにしてみたらどうだろう。どんな情景をカメラにおさめるだろう。どんな文を綴るだろう。できれば短文のほうがいい。削って削って研ぎ澄まされた短文。それは詩とも呼べるかも知れないし、呟きかも知れない。
写真は多くを語らないほうがいい。被写体に狙いを定め、余計なものは一切外す。そうすれば見たいものが見えてくるし、伝えたいものが輪郭を現す。
文も同じだ。かつて売文業を生業としていた頃、師匠のアドバイスに「文章は形容詞から腐っていく」というのがあった。たしかに、そうだ。削って削って、必要最小限度まで削ぎ落とす。すると、伝えたいことが「なんだ、コレっぽっちか」というまでになる。意外に短いものである。
短ければ短いほど、その行間に読み手は想いを入り込ませられるのだ。“想像”と言い換えてもいいだろう。
そこへきて一枚の写真。否が応でも読み手はイマジネーションの翼を広げ、さまざまなストーリーをそこに想い描く。
昔から、1ページにも及ぶ心に残る言葉や文章というものはない。ストーリーは読み手自身が想い描くものである。
果たして僕が日々書き綴っているこのブログだが、果たして読んでくださる方はどう感じられているのだろう。たぶん多くの方が「饒舌すぎる」と思われているのだろう。昔からそうだった。「お前の文は満韓全席だ。行間に映像を浮かべる前にお腹一杯になってしまう」とよく言われた。
《もっと削れ。もっと短くしろ。そして読み手に想像させろ。今のお前の課題。そうすれば、きっとブログにコメントが残されるはずだ。》そんな師匠の言葉が聞こえてきそうだ。
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私は伊藤さんの書く文章、とても好きです。
どの記事を拝見してもグイグイと惹きつけられてあっという間に読みきってしまっている魅力があります。(=^^=)
コメント by rosy [訪問者] · http://cafedeux.exblog.jp/ — 2006/10/17 @ 22:14
お褒めいただき、なんとも、恐縮です。(ジョン・カビラ風)
ただ、目下の課題は上記しましたように長すぎること。
rosyさんのブログのように短い方が絶対にいい。
長たらしい文なんて、単なる言い訳でしかないのですよ(笑)
それにしても数々のコメント。本当にありがとうございます。
また、そちらに寄らせていただきます。
コメント by itochan [メンバー] — 2006/10/18 @ 15:41