1本のカセット・テープ
9月10日土曜日の話になる。鹿児島からひさしぶりに慎ちゃんが奥さんのユカコちゃんと一緒にお店に来てくれた。昨年の12月に結婚した二人。夫婦になる前からの付き合いだ。
僕が東京から都落ちして来て最初に友達になったのが慎ちゃんだった。初めて会った時からすごく親切に仲良くしてくれた。そのきっかけは映画だった。どんな映画が好きか?と聞かれて「たぶん、誰も知らないだろうけど、『ジェレミー』って映画が大好きなんだ」と言うと、慎ちゃんも「オレも好きだ」と意気投合し、それからの友人である。
出会ってからまもなくだった。彼に1本のカセット・テープをあげた。中身は僕が好きな音楽ばかりを入れたもの。それがいたく気に入ってくれたらしく、なんと今もそのテープを車の中に入れていて、たまに聴いているという。
聞けば慎ちゃん夫妻の帰熊の予定は実は先々週の土曜だったらしい。ところが僕が臨時店休することを[伊藤通信]で知り、予定を1週間遅らせてくれたというのだ。わざわざbar伊藤に来るために。涙が出そうだった。
そんなこともあり、僕は「もう今日は特別だ!」と慎ちゃんのために店内BGMを変更。彼が好きだろう音楽を立て続けに流した。キャロル・キング、アメリカ、そしてユーミン・・・よろこんでくれた。一緒になって歌い出した。僕も歌った。お客様は彼ら2人のほかに常連のI君。彼もニコニコしていた。
僕は思い出したかのように慎ちゃんに1枚のCD-Rを差し出した。
「何や?」
「あげるよ。慎ちゃんが好きな・・・ほら、あのテープに入っていて気に入っていたヤツも偶然入れてたから」
「おお~っ!」
慎ちゃんは鼻唄のようにしてその歌を歌い始めた。
うれしかった。東京から帰って来て、友達という友達が一人もいなかった頃に友達みたいに付き合ってくれた慎ちゃん。共通の女友達を奥さんにしたこともうれしい(焚きつけたのは僕でもある)。こうして時間が取れるとわざわざ会いに来てくれる。親友と呼ぶには、むずがゆくて恥ずかしいが、あえて慎ちゃんを親友と呼ばせてもらいたい。
夏のDMを見て「胸がキューンってしたぞ。伊藤氏だなあ、このセンス」と褒めてくれた。僕が何かの拍子で「夏の終わりだから・・・」と言うと、そんな言葉が吐けるのはコイツぐらいよ、とユカコちゃんに説明してくれた。マジにむずがゆくなってきた。「もう、いいよ」と僕。
楽しい時間はあっという間に過ぎていくもの。そろそろ閉店時間となった。「それじゃあ、オレたちも帰るか」と慎ちゃんはユカコちゃんに伝えると席を立った。もう少し時間があればなあ。話したいことは山ほどあった。でも、またの機会に。
ひさしぶりの再会。慎ちゃんは相変わらずだった。同窓会で会った旧友。そして慎ちゃん。9月に入って、大切な人との出会いが続き、僕はすごく幸せだ。
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ロビー・ベンソンが良くて、「ワン・オン・ワン」「アイス・キャッスル」も見ました。女の子の顔は思い出せないし、音楽が良かったような・・・なにぶん、遠い記憶なので。
私の好きな映画は、いつも土曜の4時限目を抜け出しては通ってた、ちっちゃな映画館で見た「ラスト・コンサート」。ほんの数人の観客の中で大泣きしました。
どれもたぶん70年代の映画ですよね。今見ることができたら、どんな感想を持つのかな~?
最近見る映画は消耗品のような感じで、記憶の果てにどんどん飛んで行く気がします。見る側の感受性が鈍くなってるだけなのかもしれませんね。
コメント by Y ◎ R I K ◎ [訪問者] — 2005/09/13 @ 13:43
映画「ジェレミー」はたぶん1973、4年だったと思います。今思い出しても恥ずかしいくらいの青春ラブストーリーでしたね。この映画で監督のアーサー・R・バロンはカンヌ国際映画祭第一回監督賞を受賞しました。
僕らは・・・当然、あの可愛いグリニス・オコナーのファンです。
音楽ではロビーとグリニスがそれぞれ歌ったりもしています。実はbar伊藤にサントラ盤「ジェレミー」のレコードがあります。また、ビデオも持ってます。もし、良かったらお貸ししますよ。
聞けば、慎ちゃんはDVDを買ったとか。
相変わらずのオヤジたちは青春しているのです。
コメント by itochan [メンバー] — 2005/09/13 @ 16:41