Street Story~東京'80 (15)
in my eyes...in my memories...
【幼いころの思い出が並ぶ】 日暮里駅前/食品・玩具問屋街
小さな手の中に10円玉を一つ。ギュッと握りしめ、いちもくさんに走っていった駄菓子屋。10円クジで「スカ」を引いて、くやし涙で鼻をグスグスいわせていたハナタレ小僧に駄菓子屋のオバチャンが「ホラ、もっておいき」と、くれたアメ玉のしょっぱい味。幼いころのだれもが持っている甘酸っぱい思い出だろう。
国電日暮里駅東口から2分ほど歩いた所にある食品・玩具問屋街は、そういった幼いころの思い出に出合えるところだ。2メートルほどの狭い小路をはさんで駄菓子屋や玩具屋が長屋のように並ぶ。問屋といっても小売りもやっている。ラムネ菓子、あんずアメ、味付けスルメ、ビーズ、ブリキのオモチャ・・・昔なつかしいものが店内に所狭しと置かれている。アメ玉は1個5円ぐらいから、高いものでも20円ぐらいだ。いくら値上がりしたとはいえ、まだ子供たちのおこづかいで十分に買えるところがウレシイ。最近流行のパステルカラーは玩具にまでも及んできた。昔は変色が主流だった。それに今から思えば笑い話のようだけれども《男色・女色》というものがあり、桃色(当時はピンクとは呼ばなかったと思う)など男の子は絶対買ってもらえない色だった。
10数軒ある店々を行ったり来たりしていると、いつかしら手の中に10円玉を握りしめた子供になっていく・・・。いろんな花火が置いてある店で線香花火を買った。なぜか昔から季節はずれの線香花火を見るのが大好きだった。
(1985年9月17日)
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問屋街というところは結構面白い。東京なら日本橋の衣料関係の問屋街とか、熊本なら唐人町界隈。天気のいい昼下がり散歩がてらに出かけてみるといい。
2004年、ここも再開発で取り壊された。跡地には高層ビルが建つらしい。
変わり続けなければ死に絶える街、それが東京かも知れない。合掌。
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